4.勇者の敵は誰なのだ
どうも丑寅です。
踏み入れた森が思いのほか深くてビビっているウシトラでございます。
丑寅の職業はハンター=勇者(この星の名で言うと1級建築士)で、自分でモンスター退治株式会社(この星では設計事務所)を営んでいたのでございまする。
2年前までお爺さんの星の大魔王(この星では建築家)の右腕として仕事をしつつ自分の仕事もし、2度目の旅立ちから2年。
足元がグラグラし、確かなものが見えない年となった2020年。1寸先は闇。
街はウイルスに蝕まれ、人々を恐怖魔法で心を縛られた。
手を伸ばしても自分の指先すら闇に飲まれてしまう。
こんなとき切込隊長の血が騒ぎ、切り込んでいくのが今までの丑寅。
そして限界を超えていく。
それが今までの闘い方であったのだ。
切って祓って進んでしばらくしてから、付いてきてるか振り返る今までのやり方が、なぜか今年できなかった。
耳を澄ますと、子どもも泣いていないし、犬も寂しがっていない。
シンとしている。
こんなに静かなのは何年ぶりなのだろう。
『頼もーーーぅ』と叫んでも誰も玄関口に出てこない。
静まり返った長い廊下。
人の気配がまるでない。
護るべきものがないということは
こんなにも自由で
こんなにも孤独なのか。
誰のためでもなく自分のために働く、とは、どうやればいいのだ。
自分のために身体を調整し、自分のために美しくなり、自分のためにお金を使うための
ココロの有り様がまだよくわからない。
いやいや、待て待て。
まるで他人のために捧げたみたいないい事書いたが違う。
私は娯楽が大好きだ。
私は俗物である(笑)
マンガもネットでバンバン読んでいるし、RPGオンラインゲームもやっている。
ホラーもミステリーも買い物も大好きだ。
美しくなることも好きだし、美味しいものも大好き。
水素水や若い子が使ってるお化粧品やバズってる何か、素敵なお取り寄せにも目がないのだ。
そして、まだ見ぬ世界も見てみたい。
でもふと思うのだ。マツエクも美顔器もサプリもなんのためだろう、と。
誰にも会わないのであれば、服も化粧品もなにもかもいらないのではなかろうか。
いやいや、待て待て。
そう。
これからは試してみて
『これは違う』と思ったら、『選んで』勇気を持って『捨てる』ことをすればいいのだ。
試すことを恐れるな、勇者よ❗
捨てることに胸を痛めるな、勇者よ❗
ちらりと後ろを振り返る。
まだ光が見えている。
何もかも両手で握りしめていたあの場所。
あそこに戻れば、『日常』が待っているのではないのかな。
いやいや勇者よ❗
恐れるな。
年齢を言い訳にするんじゃない。(鼓舞)