自分がだれだかわからない

どうも丑寅です。 『ジブダレ』のうしとらです。 迷子のウシトラです。 あと30年何をして生きればいいのかわからない第50世代のわたくし丑寅がこの森を脱出するまでの物語です(現在進行形)

20.勇者2019予兆 星を脱出する

どーも丑寅です。

迷子のウシトラです。

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何もせぬまま1年が過ぎた気がしてならないうしとらです。

【前回までのあらすじ】

丑寅は20代でクリアした暗黒の森が30年後の今、眼の前に出現。

再び脱出しなければならない運命と知った。

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丸腰裸足のウシトラが黒き森を駆け抜けるノンストップ・アクション・ムービー。

身支度を整え、わけいった森は思いのほか深かった。

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【2019崩壊の兆し】

丑寅はかつて星の大魔王の補佐をしていた。生ける伝説である大魔王が本懐を遂げられるよう10年サポートしていたのである。

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2018年、大魔王から賜った宝玉で、新たな星を開拓し、同じ志の勇者とともに勤しんでいた。

2019年、宝玉に曇りが現れ始めた。

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【星を脱出する】

宝玉の意思を受け継ぐことが正義なのか宝玉が行きたい所へいかせてやることが正義ではないのかと、にわかに分からなくなっていったのである。

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宝玉とは写し鏡でなくてはならぬ。

宝玉の発する音と共鳴できないのであれば、星は捨て、次の星団に移動すべきと判断し、早々に丑寅が動いたのが、2020年の1月であった。

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同胞の勇者のさだめを待つこと半年。夏には、星を離れる船がきて、それぞれ船に乗り込んだのであった。

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そこで、丑寅は、新たな星を、そのまま今までのスキルで開拓するのが、普通の選択肢であると思ったし、わかっていた。

とは、思ったのだが、そこで丑寅は躊躇してしまう。

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もっとやりたいことはなかった?

もっとやってみたいこと、あったんじゃない?

羊だと思い込んでいるけど、本当は鳥なんじゃない?

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ほんとは生き物じゃなくて、セーターなんじゃないの?

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そう、丑寅にはやってみたいことがたくさんあったのである。

60歳になったら、そのいくつかはできなくなることは間違いない事実であった。

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であるならば

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今なんじゃない?と悪魔がささやき、丑寅は『こくり』と頷いてしまったのである。