自分がだれだかわからない

どうも丑寅です。 『ジブダレ』のうしとらです。 迷子のウシトラです。 あと30年何をして生きればいいのかわからない第50世代のわたくし丑寅がこの森を脱出するまでの物語です(現在進行形)

1 闘う勇者 丑寅の誕生 秘宝『普通』を探して

丑寅の誕生】

子どもの頃、十二支を覚えるのに唱えた呪文。

『ねーうしとら、うーたつみぃー』

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これはタツミさんが丑寅に話しかけているのだと思っていた。

『ねぇ、丑寅?』

『うーん?巽?』

だと思っていたのである。

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言葉の感じからすると、丑寅に話しかけたタツミは丑寅とは長い付き合いの女の子で、丑寅は苗字で呼ぶくらいであるから、巽とは恋人ではないが、大切な友人である。幼なじみかもしれない。ミステリアスーーー♥

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という色っぽい会話スタートで妄想が膨らんだというのに、なぜいきなり、『うまひつじさるとりいぬイー』と、ドタバタとドリフじゃあるまいし、言いにくい動物の羅列に変わるのか

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子どもの頃は、そのセンスのなさに心から驚いていたのだ。

だいたいいきなりイーってなんだよ。犬イーだって。

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オトナのセンスって意味不明と思った世間知らずの小学生が今や、どこからみても押しも押されぬ大人になったことが驚きだ。あっという間であった。

さして成長もしていないというのに。

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ねぇ、丑寅

 

と呼ばれる妄想の中で色っぽく生きることは既に不可能なのか?

もう私には『うまひつじさるとりいぬイー』と今日と明日を数えながらの毎日、ガシガシした現実をみることしか許されないのか?

 

『ねぇ、丑寅?』と言う巽の言葉には

むろん『ねぇ、ルパン?』と囁く不二子ちゃんの甘い残像が含まれるのだ。

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ふーじこちゃん❤︎は20代だろう。

おそらくたぶんパハップス。

であるならば、私に『巽』を名乗る資格はない。

それくらいはわきまえている。

だってnear50だもの。第50世代だもの。

声だってだいぶドスがきいちゃったし。

 

せめて丑寅と名乗ろう。

道に迷った迷子のウシトラ、それが私の名前である。

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20代で踏破したはずの

深き森の入り口で

黒々とした樹々の闇を恐る恐る覗きこみ

丸腰裸足で立っている。

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第50世代の勇者丑寅の終わりなき旅が今始まる。

 

武器をくれ!!